私たちの身近にある依存症
「依存症」と聞くと、アルコールや薬物を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど実際には、ギャンブルや買い物、ゲーム、スマホ、恋愛や人間関係など…私たちの生活のすぐそばにあるものが依存の対象になることがあります。
依存症は「意志が弱いからなるもの」ではありません。脳の仕組みや心の状態、環境の影響が複雑に重なって起きるものです。苦しさを和らげたり、孤独を埋めたり、ストレスを忘れるために繰り返していた行動が、やがて自分の力ではやめられなくなってしまう――それが依存症です。
依存行動をとると、一時的に快楽や安心感が得られます。このとき脳内では「ドーパミン」という神経伝達物質が働き、「またやりたい」という強い欲求を生み出します。
このサイクルが繰り返されると、理性では「やめたい」と思っても、心や身体が「やめられない」と感じる状態になってしまいます。
- やめたいのにやめられない
- 生活や人間関係に支障が出ている
- 罪悪感や後悔を感じても繰り返してしまう
- 周囲に隠すようになってきた
こうしたサインは、依存症の入り口かもしれません。
依存症は病気としての側面が強いため、専門的なサポートが必要です。依存している自分を責める必要はありません。誰にでも起こりうることであり、サポートを受けながら少しずつ回復していくことができるのです。
依存症は「人生が終わる病気」ではなく、「人生を取り戻すために向き合う病気」です。
気づいたときが、回復の第一歩。もし身近に依存で苦しんでいる人がいたら、非難するのではなく「心配しているよ」と声をかけてみてください。その一言が、その人にとって大きな救いになることがあります。
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